Q197:ドローン該否判定(外為法)
今回は、ドローンを海外へ輸出する際に注意すべき「該否判定」手続きについてご紹介します。
「該否判定」とは
輸出しようとする貨物、提供しようとする技術(プログラム含む)が「リスト規制貨物等」に該当するか否かを判定すること
参考資料
安全保障貿易管理について
令和2年1月経済産業省安全保障貿易検査官室
https://www.meti.go.jp/policy/anpo/seminer/shiryo/setsumei_anpokanri.pdf
ドローンを海外の展示会に出展したい、海外の企業と共同研究開発をしたい、海外で販売したいなど、問合せを受ける機会があるのですが、その際に、確認が必要な事は、対象機体が「経済産業大臣の輸出許可」が取れているか確認をします。
もし、許可が取れていなければ、経産省へ申請し、経済産業大臣の輸出許可を取得する必要があります。
理由は、ドローンは武器扱いの対象になっており危険物機器として輸出規制の対象になってます。また、機体に搭載している装置も該否判定の対象「リスト規制」範囲になってます。
リスト規制一覧表 (輸出貿易管理令 別表第1要約版)2020年1月22日
https://www.niigata-u.ac.jp/wp-content/uploads/2020/01/beppyouyouyakuban02.pdf
※一覧表を開くと「貨物・技術の合体マトリクス表」Excel版があります。そちらに具体的な対象となる項目が記載されてます。
どちらかと言えば
前者の武器扱いは300km以上の飛行、20L以上のペイロード搭載等、大型無人航空機の分類に入るので身近には感じないのですが
後者の搭載装置は「リスト規制」の範囲に、ドローンに搭載されているセンサー・フラコンなどが関係してきます。
よって、ドローンは、輸出規制「外為法」の対象に入ると思っておいた方がいいです。
ドローンを輸出する際は、下記、経産省安全保障貿易管理のHPをご参考下さい。
わかりやすく記載されてます。
https://www.meti.go.jp/policy/anpo/kojinyushutsu.html
一部引用しますと
安全保障貿易管理
日本国内の輸出規制について
外為法という法律に基づき輸出規制が行われており、リスト規制に該当する輸出には事前の許可が必要となります。
※個人の輸出にも適用されます。
リスト規制
・兵器そのもの
・兵器もしくはその一部になりそうな高い性能を持つ汎用品
・兵器の開発などにも利用できる高い性能を持つ汎用品
ドローン
経済産業大臣の輸出許可が必要
輸出貿易管理令別表第1
13の項(4)・・・無人航空機等等に該当する可能性があります。
装置等の該非判定では、その部分品、附属品にも注意する必要があります。
赤外線カメラ
経済産業大臣の輸出許可が必要な
輸出貿易管理令別表第1
10の項(2)・・・光検出器・冷却器等
10の項(4)・・・高速度撮影可能なカメラ等
10の項(7)・・・光学器械又は光学部品の制御装置
等に該当する可能性があります。
違反をすると
外為法違反として十年以下の懲役又は3000万円以下又は
対象となる貨物や技術の価格の5倍以下の罰金(刑事罰)及び三年以下の輸出・
技術の提供の禁止(行政制裁)が科せられることがあります。
メーカーで販売している機体であれば、メーカーで該否判定取得しているケースもある為、問合せすると良いでしょう。
個人旅行で、空撮用のホビードローンを持参するのは対象外だそうです。
■手続きの流れ・申請方法
審査期間 約3ヵ月
https://www.meti.go.jp/policy/anpo/apply01.html
お時間のある方は、下記動画でも説明を聞けます
該否判定WEBセミナー
https://www.cistec.or.jp/service/webseminar/free/kigyo.html
大学の研究機関などでは、輸出時に該否判定が必要という事を知らず、輸出しそうになったなど、事例が詳しく掲載されてます。こちらをご覧になるだけでもイメージはつかめるかと思います。
大学・研究機関における安全保障貿易管理に関するヒヤリハット事例集
令和2年1月(更新)経済産業省 安全保障貿易管理課
https://www.meti.go.jp/policy/anpo/daigaku/jireishu.pdf
以上、該否判定の手続きは、まず対象になっているか、項目は何かを調べる事から始めますが、細かすぎてわかりずらいので、CISTEC(社)安全保障貿易情報センターでセミナーを行ってますので参加するのも良いと思います。