Q196: 量産無人航空機の実機確認要領(メーカー用)
今回は、国交省HP「資料の一部を省略することができる無人航空機」に掲載されるための手続きについてご紹介させて頂きます。
現在、飛行申請手続きの際
国交省HP「資料の一部を省略することができる無人航空機」に登録されている機体であれば、申請時の機体仕様書等の添付資料は不要になります。
申請者側としては、DIPSであれば製品名をクリックするだけで手続きができる為、全ての機体を掲載して欲しい所ですが
下記、目的にも記載されてる通り、量産品で国交省の実機確認審査をクリアーした機体が掲載されることとなってます。
量産無人航空機の実機確認要領より
目的(一部抜粋)
審査要領4-1-1等の基準(3.参照)に適合する 量産品については、申請手続きの簡素化のため、航空局で基準の適合性を確認のうえホームページに掲載することとなっているところ。このサーキュラーは、量産の無人航空機に対する実機確認の方法及び手続き等について規定するものである。
詳細は、下記のサーキュラーに掲載されてます。
■量産無人航空機の実機確認要領(サーキュラー)
平成 29 年 3 月 31 日 制定(国空機第 9836 号)
無人航空機の実機確認依頼書付き
https://www.mlit.go.jp/common/001184224.pdf
国交省HP
3.許可・承認手続きについて⇒申請書記載事例について
1.※ホームページ掲載無人航空機として掲載する手続きについてはこちらをご覧ください。
に掲載されてます。
■「無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領」
審査要領4-1-1は、下記資料に記載されてます。
https://www.mlit.go.jp/common/001254115.pdf
これら機体審査をクリアーする為、機体性能以外にも、量産品を製造する施設の品質管理体制も審査条件となっており、製造過程でのプロセスなども、全て確認されます。
量産無人航空機の実機確認要領より
2. 対象となる無人航空機 (一部抜粋)
(1)適切な品質管理体制を有する製造施設において量産され、構造、機能 及び性能に同一性が認められる無人航空機。ただし、自作のもの(最 終的に組立を個人で行うものも含む。)や量産品を改造した無人航空機 については、本サーキュラーの対象としない
主に、量産機が対象になる為、DJI・ヤマハ・ACSL・エンルートの機種が登録されています。
■資料の一部を省略することができる無人航空機
国交省HP 2020年7月29日時点
https://www.mlit.go.jp/common/001356261.pdf
実は、既に数機の実機申請担当をさせて頂いてますが
機体機能だけではなく、生産ラインでの品質管理体制など、機体の安全性を確認するための提出資料と実機確認等、国交省とのメールのやり取りなど、数か月の時間を要します。
簡単な流れ
① 実機確認依頼書の提出
必要書類を添付し、メールで依頼
↓
② 書類審査
追加修正対応(不足資料の追加、記載事項の修正等)
↓
③ 実機確認・審査
実機飛行(申請内容を全て飛行し説明する)
↓
④ 製造施設の確認・審査
現場検証(現場確認・必要書類の確認・管理方法・部品管理・空調等)
↓
⑤ 認定
提出フォーマットは、実機確認依頼書以外は、特に決まっていない為、証明できるエビデンスを提出すれば良いので、データの受け渡し方法など、大容量メールを国交省へ依頼し手続きを行います。
また、年明けになると、農業機販売が集中する為、申請件数も多く、数件待ちの状態で、通常3ヵ月位掛る所も、審査官も限定的な為、それ以上の期間を要する事もあるので、早めに申請した方が良いです。
特に、②の書類審査は、認定するためのエビデンス資料・データ等が必要になりますので、国交省とのやり取りで時間を要し、内容によっては、動画撮影をするなど、思った以上に大変な思いをしました(汗)
品質管理体制では
設計及び製造について
作業の実施方法・施設・設備・材料・部品・作業者・完成検査・委託先の監査・製品の不具合等の対応についてなど、細かく聞かれます
販売実績も聞かれます
2022年には、機体認定制度も確立される予定の為、更なる無人航空機の品質確認も上がっていくのでしょう。