Q173:航空法一部改正する法律(2019.9.18付)
ここ最近、審査要領の改正・農水協ガイドライン廃止など、ドローンに関するルールが改正されていますが
ドローンに関する法律が一部施行・全面施行されると、2019年8月23日に告示されました。
法の施行は、2019年9月18日です。
更にドローン飛行に関する規制が厳しくなります。
今回の改正で、違反した場合は、既に50万円以下の罰金はありますが
飲酒時の飛行は、1年以下の懲役又は30万円以下の罰金と新設されてます。
これも、飛行禁止区域にドローンを飛ばしたり、航空機とのニヤミス、事故が毎年増加しているなど、ドローン運航ルールを守らない、守っているけど操縦技量不足、判断ミスなどで事故を起こしてしまった等
まだ、市場が成長する過程での経験不足などの課題が、このような法律を改正するまでに至ったのかも知れません。
ドローン操縦士や関係者は、今回の改正も熟知する事も必要ですが、自分だけではなく、まわりにも周知して行く必要があるかも知れません。
そうしていかなければ、更にルールが厳しくなっていくでしょう。
私のブログからも発信し、ドローン市場の成長につながればと思います。
因みに、私は法曹関連者でもないので、単に個人が調べ、メモとしてまとめているというレベルでご覧頂ければ幸いです。
関連する国交省のリンクと改正ポイント
国土交通省HP
最新情報 8月23日付け
https://www.mlit.go.jp/koku/koku_tk10_000003.html
今回の改正ポイント(無人航空機(ドローン、ラジコン機等)の安全な飛行のためのガイドライン)
飛行の方法
飛行させる場所に関わらず、無人航空機を飛行させる場合には、以下のルー
ルを守ることが必要です。
① アルコール等を摂取した状態では飛行させないこと
② 飛行に必要な準備が整っていることを確認した後に飛行させること
③ 航空機や他の無人航空機と衝突しそうな場合には、地上に降下等させるこ
と
④ 不必要に騒音を発するなど他人に迷惑を及ぼすような方法で飛行させない
こと
⑤ 日中(日出から日没まで)に飛行させること
⑥ 目視(直接肉眼による)範囲内で無人航空機とその周囲を常時監視して飛行
させること(目視外飛行の例:FPV(First Person’s View)、モニター
監視)
⑦ 第三者又は第三者の建物、第三者の車両などの物件との間に距離(30m)
を保って飛行させること
⑧ 祭礼、縁日など多数の人が集まる催し場所の上空で飛行させないこと
⑨ 爆発物など危険物を輸送しないこと
⑩ 無人航空機から物を投下しないこと
⑤~⑩のルールによらずに無人航空機を飛行させようとする場合には、安全面の措置をした上で、国土交通大臣の承認を受ける必要があります。
上記、以下資料より一部抜粋
・無人航空機(ドローン、ラジコン機等)の安全な飛行のためのガイドライン
https://www.mlit.go.jp/common/001303818.pdf
・(ポスター)国土交通省からのお知らせ
https://www.mlit.go.jp/common/001303817.pdf
今回、①~④が新規で追加されています。
①飲酒時の飛行禁止
・アルコール、薬物は正常な飛行に影響を与えます
→因みに、航空法第132条2第1号の規定に反して、公共の場所においてドローンを飛行させた場合は、1年以下懲役又は30万円以下の罰金が科せられます。
②飛行前確認
・ドローンの外部点検・作動点検を行う
→機体(プロペラ、フレーム等)に損傷や故障がない、付属品(バッテリー・プロペラ・カメラ等)が確実に取り付けられている、通信系・推進系・電源系等が正常に動作しているか確認します。
私は、必ず飛行前の機体等のチェック後、機体を起動させ、まず上空5mほどでホバリングをし、前後・左右・旋回など、機体が正常に稼働しているか、GPS環境はどうかなど、確認してから飛行させます。
・飛行させる空域・周囲の状況を確認する
→今回の法律にはFISS登録の件はありませんでしたが、周囲の状況を調べる手段の一つとして、FISS登録は有効活用できると思います。
・飛行下に第三者がいない事の確認
→補助者配置などで対応してますが
今後、自動航行・目視外飛行・1人操縦などの場合は、補助者配置できない場合は、ドローンにカメラを搭載し、周りの状況監視ができるなどの、手段も必要になってくるでしょう。
・気象情報を確認する
→風速・気温・降雨量の確認
現在は、天気予報での確認になるのかと思いますが
今後は機体開発技術も進歩している為、ドローンに気象状況を観測できるセンサーを搭載する事で、操縦士に伝達する方法もありますし
地上から上空の環境を知る事ができる機器など、機体性能の向上、周囲機種など、技術開発も進化している為、今後これらを使用する事で、気象情報収集ができるようになると思います。
③衝突予防
・周囲の状況に応じ、機体を地上に降下させる
→今まで、緊急回避の方法として航空機と同じように右回避など、統一は必要だと思っていましたが、今回、しっかりと「降下」させると記載されています。
機体の位置によっては、「降下」だけではなく、衝突する可能性のある方向と「別の方向」に飛行させることや、「空中停止」した方が良い場合もある為、その時の状況を冷静に判断する事が重要でしょう。
今後、機体にも自動制御装置で衝突回避機能等、開発も進められてます。手動での対応も必要ですが、自動で回避する時が来るのかも知れませんね。
等、他にも改正はありますが、今回の法改正は、数十枚に及ぶ資料です。全部読むのは時間を要しますが、第132条2と第134条3と第157条4は、チェックしても良いと思います。
■「航空法及び運輸安全委員会設置法の一部を改正する法律 新旧対照条文」
P8/9/11/19に記載
https://www.mlit.go.jp/common/001303812.pdf
■具体的な解釈は、「無人航空機に係る規制の運用における解釈について」に記載されてます。
https://www.mlit.go.jp/common/001303820.pdf
■無人航空機(ドローン、ラジコン等)の飛行に関するQ&A
https://www.mlit.go.jp/common/001303819.pdf
また、一部の空港について航空法第132条1号の禁止空域が拡大されています。
下記、航空法施行規則は、文字ばかりで読みづらいですが添付します。
■ 国土交通省告示第460号
https://www.mlit.go.jp/common/001303816.pdf
因みに「安全な飛行のためのガイドライン」P3~P6の方で、わかりやすく記載されてます。
特に、空港における進入表面の見方が、更にわかりやすくなってます。
面でみるケースが多いのですが、側面で見る事で、飛行高度設定なども、見やすくなってます。
ご参考に