ドローン操縦士になるための100の質問(産業編)

これからドローン操縦士を目指すドローンジョこと(ドローン女子)HIROMIの日記です。

Q58:i-Constructionって何?

ドローンを活用したビジネスの中で

「i-Construction」の話が良く出て来ます。

先日こちらの説明会に参加して来ましたので、簡単ですがご報告させて頂きます。

 

主催 福井コンピューター株式会社

http://const.fukuicompu.co.jp/products/bluetrendxa/

建築・土木・測量のCAD製品など、建設業界全体へのICT(情報通信技術)を提供している企業です。

 

セミナー内容

①現状の市場・今後の方向性について

<市場>

現状の建設業の労働生産性・安全性向上の必要性について

・技能労働者約340万人のうち、今後10年間で約110万人の高齢者が離職の可能性

・全産業と比べて2倍の死傷事故率(年間労働者の約0.5%)等

2020年東京オリンピックにかけ、人手の確保は一段と難しくなり、労働災害の改善の為にも、生産性・安全性向上への取り組みが本格化する

 

<国の政策>

2015年11月24日

国土交通省は建設現場の生産性向上を目的として、情報化を前提とした新基準

「i-Construction」を導入すると表明。

国交省は道路建設などの公共事業で、受注企業に小型無人機(ドローン)や自動制御ショベルカーなど、最先端技術の利用を義務付ける検討に入った。2016年度にまず2割、20年度には全ての案件を義務化の対象とする(日本経済新聞 電子版2015年11月19日より抜粋資料使用)

 

<i-Constructionとは>

建設現場の生産性向上に向け、測量・設計から、施工、さらに管理にいたる全プロセスにおいて、情報化を前提とした新基準を来年度より導入する。この取り組みを

「i-Construction」と名付けた。

 

国交省は、3Dマシンコントロールなどを使った情報化施工や、構造物の3次元モデルを使って設計・施工を行うCIMやドローンやロボットを使った構造物の点検・補修など、様々なICT(情報通信技術)関連の設計・施工・維持管理技術の導入や開発を進めてきました。

 

これらの技術を統合した「i-Construction」は2016年度から推進する事で、「全体として技能労働者一人当たりの生産性について、将来的に5割向上の可能性がある」と語った。

2015.11.24石井国土交通大臣の記者会見より

 

その中で、建設のプロセスの一部としてドローンの活用を推進。

<建設の流れ>

調査⇒測量⇒設計⇒施工計画・施工⇒検査⇒維持⇒管理

 

<ドローンの活用方法>

・測量

ドローンで写真測量を導入する

ドローン撮影写真による3次元点群データを追加

3次元形状復元ソフトによりデータファイルを作成

・検査

ドローン等による3次元測量を活用した検査により検査項目が半減 等

 

<ドローン撮影時の注意点>

・撮影高度

基本一定。比高の大きい箇所では数コース単位で設定

・撮影時の気象条件

曇りの日が良いそうです。影がそのまま点群化されてしまう為 等

 

現状の建設業界の課題から、i-Constructionを導入する事で2020年に向け改善して行こうと国土交通省の意気込みを感じる内容でした。

 

その他、詳細は下記HPをご参照下さい。

PP資料など、詳しく進捗状況などわかるようになっています

 

国土交通省「i-Construction」関係

http://www.mlit.go.jp/tec/tec_tk_000028.html

国土地理院「UAVを用いた公共測量マニュアル(案)」

http://psgsv2.gsi.go.jp/koukyou/public/uav/#02

 

 

②ドローンを活用し実績を出している企業

 

YDN やんちゃな土木ネットワーク

http://ydn.shizuoka.jp/about/

YDN事務局 ㈱正治組。静岡県伊豆の国市の会社です。

2015年4月にスタートし年3回集まって勉強会を開催されているそうです。

 

ドローン測量効果

・ドローンの空撮画像から3次元データを活用し、生産性・利益率向上など成果が上がっている。

・使用機材は、Phantom3を使用しフォトスキャンを活用し3次元データーを活用。

・ドローンは落ちるという事を意識し、今は自動航行でなくマニュアルで何度もモデリングしながら練習。

・撮影してしまえばソフトが3D化してくれ、ドローンでの空撮作業はトータルで30分(内撮影10~15分 200~300枚)で出来てしまう。

・3D点群処理ソフトは、福井コンピューターのトレンドポイントを使用。

点群データは高密度処理をすると4~5時間掛る為、内容によっては点群データにフィルターかけて木や草など間引く作業(除去)をする。

・トレンドポイントは、地表面フィルター一番低い点をなめて取ってくれる。あとは、地表面フィルターを点群処理ソフトで点を結んで線にするなど作業をする。

・ドローン測量と人でのトータルステーションでの測量の誤差は1.5%など、精度は良くなっていると感じる。

・工事期間の短縮や人材も3名から1名で出来る事もあり、人件費削減と効果はでている。

 

説明の最後に正治組の方が、楽しいって何だろう?って調べてみたら

「楽しい=心身ともに楽になる」

この言葉が印象的でした。

 

もし、具体的な使用方法など知りたい方は問い合わせされても良いと思います。

 

やんちゃな土木ネットワークという事もあり、話し方もやんちゃ?でしたがやっている事は凄いと思います。ファンになってしまいました♪

 

土木建築業の仕事は本当に肉体的・精神的にも過酷な仕事だと思います。

i-Constractionが実際に取扱いできるようになれば、生産効率もアップし建設業界も更に進化していく事だと思います。今後も応援して行きたいです。

 

③お勧めドローンスクール

建設業の方々など、ドローンを勉強されたいと考えている方は下記のスクールもお勧めだと思います。

 

■D・アカデミー ㈱依田儀一商店

http://yodagiichi.com/

元々、生コン業をされていた会社でドローン操縦法やi-Construction使用ソフト紹介もあるそうです。今回のセミナーでも説明に来られていました。

 

その他、福井コンピューター様とは違うのですが

下記もi-Constructionのドローンスクールも行っています。

国際航業株式会社

 http://www.kkc.co.jp/service/biz_solution/uav-school.html

 

 

今回、私のつたない説明でもありますので、i-Constructionは各専門の方々にお伺いして頂くようお願いします。

このブログを通して少しでもi-Constructionに関心を持って頂ければ幸いです。

 

以下、言葉の意味を調べてみました。

*iの意味

innovation(改革)・internet(インターネット)・instruct(教える)等 

※iの意味は国交省に確認していません。多分この辺りの意味合いかなと思います。

*Constructionの意味

建設・建造・架設・建築構造・建造物・建設業界・構造・構成等

 *ICT

Information and Communication Technology

情報通信技術

*BIM

Building Information Modeling

コンピューター上に3次元モデルを作成し、建築ビジネス・デザインを革新するワークフロー。2009年。BIM元年。

*CIM

Construction Information Modeling

2012年~3次元モデルの連携・段階的構築

3次元CADによる設計やドローンによる測量など、設計段階まで3D技術やICTの活用範囲が広がる

 

 

今回の「i-Construction」は、これまでのICT活用を集大成するもの。

2020年東京オリンピックに向け順次拡大されると良いですね。