ドローン操縦士になるための100の質問(産業編)

これからドローン操縦士を目指すドローンジョこと(ドローン女子)HIROMIの日記です。

Q86:原子力発電所空域を飛行させる場合

先日、原子力発電所近隣のサンプリング調査でドローンを飛行させる場合、申請は必要なのか質問されました。

 

その飛行経路は、国交省の飛行申請条件外だった為、国交省への申請は不要でしたが、以前、どこかに原発関連の飛行について記載されていた記憶はあったので調べてみた所、警察庁のホームページで掲載されていました。

 

官庁関連では、国交省がHPできちんと対応されていますが、警察庁でもHPに掲載されているので、非常にわかりやすく、その通りに申請すれば出来るので良いと思います。

 

でも、申請の様式はPDFなのでWord版であれば更に有難いのですがね(^^)

 

今後、申請が必要な方には、下記関連ページをまとめましたので、ご参考にして下さい。

 

■警視庁ホームページ(ドローン関連)

小型無人機等飛行禁止法関係|警察庁

 

■飛行対象

原子力発電所周辺地域

・国会議事堂

内閣総理大臣官邸

・その他の国の重要な施設等

・外国公館等

 

■申請方法(申請の流れが記載されています)

https://www.npa.go.jp/keibi/kogatamujinki/pdf/tetsuduki.pdf

対象施設の管理者、土地の所有者等

   ↓

通報書(所定の様式に記載)

https://www.npa.go.jp/keibi/kogatamujinki/yousiki/1.pdf

※操縦士名・印・機体など詳細を記載

   ↓

管轄の警察署へ提出

※飛行の48時間前まで

 

国交省の1カ月前よりは、2日前なので、時間には余裕があるようですね。

Q85:空港近隣を飛行させる場合

海・港に続いて。次は空港です。

 

空港には、飛行機が低空で滑走路に進入する為、ドローンの飛行高度と重なる場合があります。

よって、ドローンを飛行させる場合は、飛行機の侵入・離陸経路に入っていないかの確認が必要になります。

 

では、日本国内での侵入表面の考え方です。 

■侵入表面の見方

http://www.mlit.go.jp/common/001109751.pdf

 

そして、具体的な場所です。

■制限区域(国土地理院

http://maps.gsi.go.jp/#11/35.603160/139.781113/&base=std&ls=std&disp=1&lcd=kokuarea&vs=c1j0l0u0f0&d=vl

この空域に属している場所は、空港事務所に問い合わせが必要です。

 

■各空港事務所の管轄区域

http://www.mlit.go.jp/koku/15_bf_000212.html

 

実際、飛行空域で仕方なく飛行させる場合は

終日、航空事務所と電話連絡するなど、忙しかったそうです。

 

出来れば、その空域での飛行は避けたいですね。

Q84:海上・港上を飛行させる場合

海上・港上空を飛行させる際

国土交通省への申請以外に、海を管轄する海上保安庁への申請が必要になる時があります。

 

海上を飛ばす場合、ドローンの飛行経路下に船など航行している場合は、落下した時のリスクが懸念される為、関連する部署へ連絡する必要があります。

これも、海だけでなく山も陸もそうです。

 

今回は、海上を飛行させる場合の連絡先を掲載致します。

実は連絡先を探すの時間が掛ったので

今後はQ84を検索すれば直ぐそのページが出て来るので

自分でも参考にしたいと思います。

 

■海上・港上空を飛行させる場合

①飛行される海上管轄の連絡先を調べます。

海上保安庁のホームページ

http://www.kaiho.mlit.go.jp/

右下に、日本地図があります。

飛行する場所の地区をクリックして下さい。

例えば、東京湾の場合は「第三管区海上保安本部」の管轄になります。

第三管区海上保安本部のHPが出たら

下の欄に三管区コーナーの管内事務所一覧をクリック

各地域の連絡先(電話番号)が掲載されています

 

②事務所一覧

下記をクリックすると早く探す事ができます。

http://www.kaiho.mlit.go.jp/syoukai/kanku/index.htm

各管内の事務所一覧です。

管内事務所一覧をクリックすると

電話番号が掲載されています。そちらに問い合わせします。

 

③申請が必要な場合

申請・届出の様式

http://www.kaiho.mlit.go.jp/ope/apply/info.html

支持のあった申請書に記載し提出します。

許可が下りるまで、約1カ月弱かかるそうです。

 

また、海保のみでなく

海上には漁協関係者・遊覧船・定期便などありますので

飛行する際、指摘が出そうな関係者には事前連絡をしておく方が安心かと思います。

 

離着陸が港などの施設から飛行させる場合は、その土地の管理者への連絡も必要だそうです。

 

それらは海保が教えてくれますので、まずは確認してみましょう。

 

Q83:赤外線って何?

私は、やっと赤外線について何かという疑問を

解決させてくれる方と出会う事が出来ました。

 

実は、ドローンでビジネスを先に考えたのが

ドローンと赤外線カメラを使った調査関連のビジネスモデルでした。

 

しかし、赤外線自体が何かも知らずに

ドローンに赤外線搭載した機体を購入(約50万前後)しても

使い切れない。

 

このまま購入するは今は早いと思い

色々な所で赤外線セミナーがあれば参加し

赤外線で何が出来るのか調べて来ました。

 

しかし、どうも自分が納得できる話が聴けなく

結果、赤外線でソーラーパネルの点検ビジネス良いですよ~

で終わってしまった。

それだけか!もっと根っこの所を私は知りたいのだ!赤外線って何ぞや!

 

そこから知らないと日本でのビジネスは成立しないだろと

数カ月途方に暮れていました。

 

そして、また赤外線のセミナー案内

今回も、また中身のない話聞かされるんだろうな~と思いながら、参加。

そしたら、等々出会ったのです。これぞ私が聴きたかった話!

 

今回、その内容を一部ご紹介致します。

同じ事を考えている方のご参考になればと思います。

 

講義してくれた方

■ケイプラス株式会社

http://k-plus-inc.com/

 菊地孝様

日本のサーモグラフィー会社に勤務され

今は赤外線サーモグラフィーなど、様々な非破壊検査技術をベースに

建築土木構造物をより良い状態で維持し

より安全で快適な社会構築が出来る様、取組されている方です。

 

①赤外線とは

電磁波の波長の名称

人の目で見えるのは「可視光線」と言い、赤・黄・青など色で

物体を見る事が出来ますが、その隣り合わせの電磁波である

「赤外線」や「紫外線」は目で見る事ができません。

 

そして、「赤外線」には3つ

近赤外線・中赤外線・遠赤外線と分割され

何を見るかでカメラの種類も変わるそうです。

 

詳しい内容は電磁波の種類のチャートを見て下さい。

こちらは私がネットで分かり易い資料を見つけ添付した物です。

基本菊池様が話をされている内容と同じです。

■電磁波の波長と名称

http://www.hp.phys.titech.ac.jp/yatsu/1FGL2339/img/elemag_waves.pdf#search='%E9%9B%BB%E7%A3%81%E6%B3%A2%E3%81%AE%E6%B3%A2%E9%95%B7'

 

可視光線・赤外線の位置づけがわかる資料となっています。

 

因みに、可視光線は赤が人の見えなくなるギリギリの場所だから

隣の電磁波は赤外線と呼ぶそうです。

その反対波長の短い方は紫が人の見えなくなるギリギリの場所だから、紫外線というそうです。

 

なるほど~赤と紫の意味を始めて知りました。

 

そして、赤外線を見る事が出来る赤外線サーモグラフィーを

開発する事によって目で見えない赤外線を見る事が

出来るようになったのは約30年前位。

 

当時は、赤外線サーモグラフィーも約1500万円した物が

今では数十万で購入でき、尚且つドローンに搭載して上空から人の目で見えない物を見れるという事で

下記内容がドローン&赤外線カメラで提案されている

ビジネスモデルだそうです。

 

①夜の人や動物の探索

暗闇でも人・動物が発する赤外線で居場所を確認出来る

②太陽光パネルの点検

ホットスポットの故障点検・解析

③建物などの壁面調査

老朽化による壁面内部の状態確認  等

 

しかし、これだけでビジネスとしてどう成立するのか?

そこが課題だと、更に深い話をして下さいました。

 

①は実際ビジネスとしては成立するそうです。

しかし、②③は赤外線の特徴を知らないと、間違った調査報告を出す事になりかねないそうです。

 

赤外線の特徴

 

・構造物診断

劣化箇所が温度差として赤く表示されます。

しかし、剥離が起きているのか・真空があってそこに熱がたまっているのか・材質の違い・塗料は何を塗っているのか・・など、温度は色々な状況下で変わる為、温度差だけで判断するのは難しい。

 

・赤外線も可視光線と同じように反射します。

熱があると判断しても、実はそこに物体は無く、物体の反射物に反応しただけとなっている。

 

・アルミ板が熱い

アルミ板の個所が温度が高いと思ったら、ハロゲンランプが反射している箇所のみかけの温度だったとか・・

 

・太陽光パネル

赤く温度が高い・・しかし、屋外は何が落ちているかわからない落ち葉?鳥の糞?。実際その場に行かないと、わからない事も沢山ある。

 

・赤外線はガラスを通過しない。

目で見る可視光線は、ガラス越しに見える物体を見る事は出来ますが、赤外線サーモグラフィーではその物体が見えません。ガラス越しの物体の調査は難しい。

 

など

 

何が言いたいかと言うと

 

温度を持っていると全てが異常という事ではない。

あらゆるものは電磁波を放射しています。

人も遠赤外線を放射している。建物も植物も赤外線を放射している。

それが、何かという事まで判断できる対策も必要になる。

 

という事で、赤外線サーモグラフィーで調査する際は

色々と実証実験する必要がこれかもあるという事がわかりました。

 

医学界でもエビデンスが重要ですが

ドローン業界も証拠・根拠を探っていかないと行けない時点だという事で

まだまだ時間が掛るビジネスだという事がわかりました。

 

ケイプラスの菊地様、有難うございました。

 

 

Q82:大井松田カートランド (ドローン空撮映像付)

私のホームグランドでもあります、カート場の撮影を行って来ました。

 

■大井松田カートランド(神奈川県)

http://www.kartland.co.jp/

1978年設立。歴史あるカート場です。

 

実は、私10年以上前からレンタルカートのチーム監督をしています。

■チーム名

DESSPEEDオカモ(A/S/B)

と3チームあります。

 

いつかドローンで空撮が出来るようになったら

いつもお世話になっている大井松田カートランド様へ空撮映像をプレゼントしたいと思っていました。

そして、やっとドローン空撮映像完成しました!

 

今まで謎だった西側の山の上は何があるかを知りたいという思いもあり、

その上空の撮影からスタートします。

 

本当は9月に完成させるつもりが、毎日雨・雨・雨で撮影が延期となり

やっとお披露目する事が出来ます。

 

今回はドライバー2名の方にご協力を頂き、会場&走行風景を撮影しました。

こちらの場所は、包括申請も頂いている場所です。

 

■大井松田カートランド(ドローン空撮)Phantom4

www.youtube.com

  

Special Thanks

■ドライバー

飛田 陽宏 AKIHIRO TOBITA

南澤 拓実   TAKUMI MINAMISAWA

■チーフ メカニック

湯浅 博       HIROSHI YUASA

■オーナー

夏苅 隆裕   TAKAHIRO NATUGARI

 

■ドローン空撮

Dronejo Movie by HIROMI(DMH)

 

Q81:衛星測位技術展(SATEX)

先週、ビックサイトで行われました衛星測位技術展(SATEX)に行って来ました。

 

■衛星測位技術展

http://www.satex.jp/

準天頂衛星GPSなどを活用した衛星測位技術やそこ から得られる位置情報サービスに特化したビジネス向け専門展示会です。

 

最先端の技術・情報・サービスなど集結された展示会でした。

 

その中で、ドローン関連企業で大きく展開されていたコーナーは、大阪にあります「アミューズワンセルフ」様です。

 

今回は別件でセミナー受講もあったのですが、アミューズワンセルフ様の開発者の方にまた会いたく訪問させて頂きました。

 

実はQ23:JMSAでご紹介したブルーのレーザースキャナーを搭載したドローンを開発、販売している会社です。

 

こちらは、ドローンの性能、安全性は勿論重要ですが、それに加えデザイン性、軽量化、組み立てのカセット化など、日本のモノづくりの原点を感じさせるドローンとして好きなタイプの一つです。

 

今回の展示ブースの写真です。

 f:id:dronejo:20161005004824p:plain

ドローンの開発者にも、またお会いする事ができ、色々勉強でき楽しかったです。


実はこの方、お話が上手で楽しいんです。

本当にドローンが好きなんだなと感じさせられます。

 

そして、今回注目したのは、ドローンを持ち運べる為の箱です。

移動の事も考え、サイズも計算され機体事態もこの会社のドローンは軽いので、私も背負える?感じでした。

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火山調査など、ドローンを固定バンドのような物で体に巻きつけ移動されている方の写真を見た事もありますが、こういったケースも考えらえていると嬉しいです。

 

その他、ドローン販売以外にも、GNSS撮影システム・撮影計測サービス・三次元処理加工サービスなども請け負っています。

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気になる方は、下記HPご参考にして下さい。

■AMUSE ONESELF(アミューズ ワンセルフ)

http://amuse-oneself.com/

 

 

 

Q80:リモートセンシング農業って何?

Q78で「リモートセンシング」農業という言葉が出て来ましたので調べてみました。

 

■「リモートセンシング」とは

Remote Sensing

リモートセンシング(遠隔探査)とは、センサと対象物とが遠く離れた観測方法を指す言葉である。

一般的には地球(対象物)の状態を知るために,航空機(数百メートル〜数キロメートル上空)や衛星(数百キロメートル〜数万キロメートル上空)にセンサを搭載して観測をおこなう方法を指す。

国立情報学研究所 北本朝展氏より

http://agora.ex.nii.ac.jp/~kitamoto/research/rs/

 

一番、イメージがつきやすいのは、

天気予報に使われている気象衛星画像だそうです。

※上記、ブログ面白いですよ。現在の地球の衛星画像とかも見れて、好きな人はハマると思います。

  

では、ドローンでリモートセンシングをどう活かすかと言いますと・・・

※下記、㈱JEPICO様のセミナーで教えて頂いた内容です。

 

テーマ「ドローンを用いたリモートセンシング農業について」

 

フランスやアメリカなど、日本に比べ圃場が広い場所は、植生検査など衛星や航空機を使い、上空から地上を撮影し、その画像を元に植生状態の調査などをしているそうです。

 

しかし、衛星や航空機を使うと高額で、曇りの日は雲に隠れ地上が見えない為、撮影が出来ないなど課題もあり

 

今は、ドローンで衛星画像と同程度の分解能を持つセンサー(Q78のレッドエッジなど)も販売・利用出来るようになり、ドローンの活用範囲が広がっている。

 

■ドローンで解析ができるメリット

*衛星の場合

撮影範囲 大きい

高度   約700km

GSD(分解能) 30cm

天気の影響 大きい

自由度 低い

価格  高い

 

*ドローン(マルチローターの場合)

撮影範囲 小さい

高度 約120m~75m

GSD(分解能) 8cm以下

天気の影響 低い

自由度 高い

価格 安い

 

という事で

ドローンは衛星に比べ、手軽にでき、近くから撮影出来る為、分解能も良く、価格も手頃という事がわかると思います。

 

因みに、衛星の場合(一例)

価格 約9000円/1K㎡ 

※1/4サイズで約25万円

最少単位 25k㎡

分解能  30cm

  

また、植生検査についてですが 

通常、人の目で見える色は光の波長によって赤・緑・青など見えます

例)プリズムを光に当てると虹色が見えるように光が色へ変化。

しかし、レッドエッジのような(画像マルチスペクトラム解析)では

人の目で見えない赤外線(近赤外線とレッドエッジ)を光の波長によって、映像で色を見る事が可能となり、更に鮮明なデータ情報を取れるようになるそうです。

※赤外線に関しては、別途勉強して来ましたので後日掲載致します。

 

それによって何がわかるか?

植物の活力を測ることが可能

・植物の窒素量(タンパク質量)の推定

・疫病の早期発見

堆肥の適正な利用

・農薬の適正散布

・土壌の水分量調整

・雑草の発生  など

 

例えば、圃場をセンサー計測すると、緑や赤色で表示されます。

緑色の個所は植生が良い⇒クロロフィルたくさんある⇒窒素量も多い⇒タンパク質が多い⇒人間の体に良い

という事がわかるそうです。

 

しかし、タンパク質が多いという事は、白米を炊いた時、パサつき感があったりするそうなので、体に良い=美味しいは比例しないそうです。

 

という事で、リモートセンシング技術をドローンで活用する事で日本の農産業の効率化にもつながるなど、産業用ドローンでは活躍していくんだろなという事がわかりました。

 

但し、これからドローンを活用した取組は、まだ研究中の段階でもあり、企業や大学が色々調査されている状態でもあるそうです。

 

ジェピコ様有難うございました!

 

■㈱JEPICO

http://www.jepico.co.jp/

スマートデバイスから人工衛星まで、幅広い分野のお客様に最適 のソリューションを提供する電子部品専門商社です。