Q109:産業用ドローンを作る
ドローンを飛行させているとフレームが折れたり、プロペラを損傷したりと、破損は付き物です。
その場で修理出来ない事もありますが、軽い損傷であれば、その場で修理する事で再飛行させる事も出来ます。
やはりドローンは空飛ぶ物体=ぶつかる=落ちる=壊れる
そして、いつも感じるのが、私も修理が出来れば・・・
そこで、社内の製造部の方に簡単な修理の仕方で良いので教えて欲しいと言った所
それなら、一機作ってみれば良いよ!
え~マジですか!嬉しい!!!!
確かに、一からドローン製作すれば、ESCとモーターの組合せや、回線経路も理解する事も出来、ドローンの仕組みやパーツの理解に役立つ。
そして、ドライバー&ネジで直す事も出来る。
という事で、早速ZION PG390を作っちゃいました!
ZION PG390は、プロペラガードがついており、産業機ドローンを操縦する際の飛行練習でよく使われる機体です。
簡単に製作の流れを説明します。
①機体の部品を揃える
Pixhawk・GPSアンテナ・テレメトリー・アンプ・電圧センサー・マウントホルダー・LED・モーター・プレート・スペーサー・クランプ・アームー・ネジ・ナット等
必要部品をまず揃えます。
②頭脳・心臓部を組立てる
私は、難しく時間が一番かかりそうな部分から製作をスタートしました。
PG390のフライトコントローラはPixhawkを使用している為、アンプ・テレメトリー・ブザーなど、回線をつなぐ所からスタートしました。
プロポの受信機もプレートに両面テープで固定。機体と送信機がこれで繋がっているんだ~と理解が深まりました。
③骨組みを作る
機体の骨組みを作ります。主に、フレーム・アームという外部装備の場所で、モーターなどを取付けます。
④各パーツを組立てる
③に②を取り付けます。配線コードは外に出ないように、綺麗に揃え中央のプレートの中に収めたり、アームに綺麗に添わせ、結束バンドで固定します。
⑥動作確認
バッテリーを繋げ、動作確認をします。
しかし、ここでモーターの配置場所を間違え、再度付け直し(汗)
モーターは回転の向きが違う為、フライトコントローラーやアンプの方向をきちんと確認し、モーター回転の向きが合うように注意しましょう。
⑦キャリブレーションを行う
機体が完成したら、方位センサー(コンパス)に位置情報を記憶させます。
PCを立上げ、ミッションプランナーでキャリブレーション設定を行い、私は機体を持ちながらクルクル。
⑧飛行テスト
さー、ここで本当に機体が飛ぶのか!飛行テスト。
はい。無事飛びました。
➈完成
結果、1日で作れました。
次回はQC730?にチャレンジ!
Q108:Smart Eyeglassって何?
先日、飛行テストで某会社様から
SONY Smart Eyeglass(透過式メガネ型ウェラブル端末)を
ドローン操縦時に使用できないかと提案がありました。
既に、他社からも似たような商品が販売されているのは知っていたのですが
今回はSONY製を着用してみました。
掛け心地は普通の眼鏡と比べても違和感がなく、重量77gと軽量で装着力はとても良かったです。
両目で表示されている文字をみるのですが、緑色のホログラムで飛行高度・速度・バッテリー残量など、みる事ができます。
やや、背景が濃い色の場合は良く見えるのですが、ドローンを操縦する際は、空を見上げる事が多く、背景が白・青だと若干見えづらく感じ、文字の色も緑色なので、もう少し調整は必要だと感じました。
但し、こちらの商品は網膜に直接レーザーを当てて浮かび上がらせるのでなく、眼鏡に移った映像をみる為、目にも優しいと思います。
視線は大きく変える必要はない為、改良を加えれば今後可能性はあると思います。
ハンズフリーで情報が見えるのは、魅力的です。
下記、商品の紹介HPです。
ポイント(一部抜粋)
・ソニー独自のホログラム光学技術により、視野を遮るハーフミラーを使わず、85%の高い透過性を持った厚さ3.0mmの薄型レンズを実現。
・単色表示のためカラーよりも低消費電力でありながら輝度が高く(最大1,000cd/m2)
・両眼表示により様々な環境でもテキストが読みやすく視認性の高い表示が可能。
・無線接続した本機とPCなど相互にセンシングデータや画像データなど情報をやりとりすることにより、多彩な活用シーンが可能
・カメラ未使用時:連続使用で約150分 等
ドローンを取り巻く新アイテムがどんどん発明される事は良い事ですね。
Sony Smart Eyeglass Developer Edition
http://developer.sonymobile.com/ja/smarteyeglass/
装着してみるとこんな感じです。
Q107:ディザスター シティーって何?
Q106でもご紹介させて頂きました福島ロボットテストフィールドですが、世界にもいくつか参考になる施設がありますのでご紹介させて頂きます。
自然災害・大規模地震・事故など、いつ来るか分からない事態に備え、消防・自治体・関連企業など、研究・開発・調査・技術取得など出来る様、都市型操作救助US&R(Strutual Collapse Urban Search and Rescue)として、整備・開発が進んでいます。
日本では、今後US&R対応策として、今回の福島ロボットテストフィールドも重要な位置を占める事になると言われています。
今回は、世界でも有名なDisester City (ディザスターシティー)とGuardian Centers(ガーディアンセンター)をご紹介させて頂きます。
■ディザスター シティー(Disaster CityのHP)
https://teex.org/Pages/about-us/disaster-city.aspx
■ガーディアン センター (Guardian Centers)
下記、関連調査報告書です。
■ロボット研究・実証拠点整備等に係る調査報告書
(一般財団法人 製造科学技術センター・経済産業省製造産業局産業機械課)
何故、このような記事も掲載するかと言いますと
ドローン操縦士になる為には、飛行が出来るだけではなく、災害対策・インフラなど、様々な角度でドローンの活用が求められています。
それらを実践する為には、その場の環境を理解し操縦しなくては事故が起こってしまいます。
例えば、橋梁点検など、コンクリート側面の風速・対流・橋梁下のGPS受信不能など、様々な条件下の中で操縦が必要となります。
いざ実践しようとしても、やはり事前に訓練をする事でより安心安全に精度の高い点検調査が行えます。
この福島テストフィールドはそれらの技術取得の訓練も行うことができます。
今後、経済産業の活性化・課題解決の為にもドローン操縦士の育成強化にも福島ロボットテストフィールドも活用できる事になるでしょう。
Q106:福島ロボットテストフィールド
平成30年度に向け、福島県が整備する「福島ロボットテストフィールド」の開発現場の視察に行って来ました。
こちらの場所は、震災・原発事故によって失われた浜通りの産業・雇用を回復する為(福島イノベーションコースト構想より)
1)廃炉やロボット技術に関連する研究開発
2)エネルギー関連産業の集積
3)先端技術を活用した農林水産業の再生
4)未来を担う人材の育成強化
これらを通じて新たな産業・雇用を創出し、住民が安心して帰還し、働けるよう、浜通りの再生に取り組んで行こうと、国の財政支援のもとで「ロボットテストフィールド」及び「国際産学官庁共同利用施設(ロボット)」の整備が進行しています。
建設場所は鉄塔の左、西側に向け、約 1327m×464mと南相馬市復興工業団地予定地に建設中です。
広い敷地で南相馬市中心街より車で10分と生活インフラが揃う市街地からも近接で、海外の同規模の試験施設(Q107で紹介)に比べても良好な立地でした。
主な施設は
①無人航空機エリア
緩衝ネット付飛行場・落下措置、衝突回避、非常時着陸、物件落下などの特殊飛行場など
②インフラ点検・災害対応エリア
トンネル、橋梁、道路、市街地など、亀裂、陥没、瓦礫、土砂崩落道路など多様な障害を設置
③水中水上ロボットエリア
水没市街地、屋外大型水槽、屋内水流付大深度水槽、濁度調整水槽など
④開発基盤エリア
基礎的な計測装置・耐環境試験装置・電波暗室・防爆試験など特殊計測装置など
余は、ロボットを開発する段階で事前にこちらのロボットテストフィールドを使用し、様々な実験検証をする事で、更に精度の高い研究開発が出来る施設が出来るという事です。
ドローンであれば、耐風試験なども開発基盤エリア内で試験も出来ますし、長距離飛行テストも可能なように、約13kmの飛行コースも南相馬市~浪江町までつなぐ飛行航路も設置してあります。
今後ロボットなど産業機の開発基盤を検討されている方々は、南相馬市に事務所を構える事で生産性も良くなりますし、滞在型の研究室・オフィス・TV会議室・宿泊施設・整備格納庫も賃貸で借りる事が出来る施設も検討されているという事ですので、こちらを拠点にするのも良いと思います。
詳細は下記記載されています。
■福島県ロボットテストフィールド
尚、平成30年に向け開発段階中ではありますが、一部試験が出来る場所も既にありますので、企業や大学など研究試験を行いたい方は、直接、福島県へ問い合わせをしても良いそうです。
南相馬市へ訪れた際も、人口も戻っており活性化の勢いも感じました。
今後、このテストフィールドは世界からも注目される立派な施設になると思います。
問合せ先
■福島県ロボット産業推進室
https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/32021f/
Q105:Marvic Proって何?
先日、DJI社から販売されたMarvicを飛ばして来ました。
話では伺っていたのですが、本当に操縦も簡単で映像も鮮明な為、気軽に空撮を楽しみたい方にはお勧めだと思います。
画質などは、やはりPhantom4の方がいいと思いますが、プライベートで動画や静止画を楽しみにたい方には、十分な機能を持っているので満足できると思います。
持ち運びもコンパクトに収納でき、旅行など気軽に持ち運びができるので、私も一機持ってても良いかなって思います。
価格は、129,800円~(税込)
購入はDJI社代理店などNETで購入出来ます。
人気の為か入荷待ちの所もあります。
下記、DJI社のMarvic 紹介動画です。
その他、安全機能(衝突回避システム・リターントゥーホーム機能等)も付いている為、初心者にも安心です。
企業やスクールなど、ドローン飛行練習などにも使えると思います。
ただ、機体重量が約700gの為、風が強い日は機体が軽いので飛ばされ易いので、飛行の際の天候は注意された方が良いと思います。
最大飛行可能時間 27分
最大30fpsの4K動画・1200万画像の静止画 など
詳細・安全運航などは下記のPDFをご参照下さい。
■仕様書(DJI ユーザーマニュアル)
Marvicの持つ潜在機能を調べれば調べる程、この機体の凄さが見えてくるかも知れませんね。
Q104:気象予報
ドローンの弱点は雨と風です。
全天候型ドローンも一部開発されていますが、基本多くのドローンは雨や強風では殆どが作業中止・延期となります。
先日も数社で実証実験する為、週間天気予報をみていたのですが、どうも雨予想(><)
降雨時間によっては、作業スケジュールを再調整し、降る前に検証を終わらせられるかなども検討したのですが最終判断は私に任すと言われ(*0*)
え~マジですか~って一気に責任重く(--;)
社内だけなら、あれ~雨降らなかったですね~って(^^;)
笑って流せるのですが、社外の方にはそうは行きません。
前日判断でも良いですよって言われたのですが、出来れば1日でも早い方がホテルのキャンセルや他の仕事を入れるなど出来るじゃないですか。。。
と悩んでいたら・・・・
ドローン操縦士の先輩から、この気象予報情報を見ると良いよと神の声が!
ラジコン仲間では知られているそうなのですが、始めて見て感動しました。
何と広域であれば264時間(11日先)の気象予報が見れるんです♪
詳細は39時間前となりますが、どちらも雨量・雲量・気温・風速など、詳細に掲載されています。
それに、この何がスゴイかっていうと、スーパーコンピューター使っているんですよ。
ご存知の方もいらっしゃるかも知れませんが、その気象予報のサイトご紹介致します。
■GPV気象予報
GPVとは気象庁や米国海洋大気局等の気象予測モデルをスーパーコンピュータで計算した予測値を指します。
その後も大活躍です。
先輩有難うございま~す♪
Q103:NEDOって何?
Q101~102でも出て来ましたNEDOについてご説明したいと思います。
■NEDO
NEDO=国際研究開発法人新エネルギー産業技術総合開発機構
(New Energy and Industrial Technology Development Organization)
1980年10月1日、日本政府下の主体となる新エネルギー開発機構として設立されました。1988年5月に施行された、”産業技術に関する研究開発体制の整備に関する法律”に基づき、NEDOの義務は産業技術に関する研究と開発にまで拡張され、その呼称は1988年10月に現在のものに変更されました。2003年、NEDOは独立行政法人として再設立され、2015年には国立研究開発法人に名称が変更されました。
NEDOは、非営利の政府機関であり、新エネルギー(太陽光、風力、バイオ、地熱、その他全て)、燃料電池、水素技術、スマートグリッド、及びエネルギー関連技術といった、石油に代わる新しい研究と開発の促進に貢献しています。
以上のように目的は「産業技術に関する研究と開発」と、各分野で活躍されている企業が、目的を達成するためにそれぞれの強みを活かした分野を他社と共同で研究開発するという、日本を代表するコラボレーション的な産業技術開発で、先鋭のメンバーが集められ定期的にMTGを行い、現場検証し実用化につなげるという取組を行っています。
その中で、無人航空機(ドローン)は、空中活動ができ、今まで人が侵入できない場所や有人飛行で危険性が高い場所(活火山の山頂上空など)での作業をドローンで行うことが出来るのではと、今注目を浴びています。
企業同士がそれぞれの強みを活かし研究開発し、最終的に実用化できる技術を開発すると日本を代表する研究機関でもあるんですね。
現状、あらたな研究開発も行われてますので数年後は更に精度の高いドローンが生まれているのでしょう。
平成28年度は現在進行中ですが、平成27年度の取組をまとめた資料が経産省から報告されていますので参考にご覧ください。
[資料]NEDOプロジェクトの実施状況について
平成27.3.19 経済産業省