Q207: NIST STM for sUAVって何?
昨今、国内でも無人航空機の性能評価や操縦士の技能評価手法に
NIST STM for sUAVを取り入れる機関も出始めてます。
そこで、今回はNIST STM sUAVに関し
詳細が掲載されてるページをご紹介し、簡単でありますが概要も説明します。
尚、私なりに調べた内容の為、一部誤認識の箇所もあるかと思います。
参考程度でご覧ください。
*NISTとは、
米国国立標準技術研究所(National Institute of Standards and Technology:NIST)
1901年に設立。米国商務省に属する政府研究機関
NISTは、米国で最も古い物理科学研究所の1つで、NISTの技術、測定は、最小のテクノロジーから、最大で複雑な人工物まで、無数の製品やサービスを標準化できるようサポートしてます。
*NIST STM for sUAV
米国国立標準技術研究所(米国商務省研究機関)の小型無人機システム標準試験方法
(NISTの中でも、小型無人航空機に関する内容です)
NIST=National Institute of Standards and Technology
STM=Standard Test Methods
For sUAV=for small Unmanned Aerial Vehicle
試験方法には、ASTM国際標準委員会を通じて標準化されてるため、NIST性能試験方法は国家標準になるかな?
参考記事、2018年12月掲載
*無人航空機の評価方法 2018年12月NIST性能試験が国家標準になる
整理すると
「ドローン機体や操縦士の評価試験方法をNISTが定量的な方法で試験方法を研究し、ASTMを通じて標準化する」
以下、概要・試験方法・設備等、全96ページ詳細記載
Measuring and Comparing Small Unmanned Aircraft
System Capabilities and Remote Pilot Proficiency Version 2020B1
■主な試験方法
ドローンのシステム機能と、正確な着陸、垂直上昇、直線および水平飛行を含む5つの基本的な操作を実行するパイロットの習熟度の両方を定量的に測定し、遠方から物体を特定するための円軌道や、近距離検査を行うためのスパイラル操作など、5つの機能テスト方法があります。
1.Position:指定場所を正しく飛行
2.Travers:大きく周回飛行
3.Orbit:目標物の周りを小さく周回飛行
4.Spiral:目標物の上空を旋回飛行
5.Recon:指定位置まで長距離飛行
Measuring and Comparing Small Unmanned Aircraft
System Capabilities and Remote Pilot Proficiency Version 2020B1 P18掲載
■評価シート
試験環境や操縦士、採点表が掲載されてます
・飛行場所(室内・屋外)
・時間(昼間・夜間)
・目視内・目視外
・風速・飛行時間・操縦士・採点者・飛行機体・操縦モード等 記載
Measuring and Comparing Small Unmanned Aircraft
System Capabilities and Remote Pilot Proficiency Version 2020B1 P28掲載
NISTは、米国の研究機関で試験方法が研究され、主に消防・防衛関連の災害時の訓練手法として活用され、機体性能の確認以外に、それらを活用する操縦士の技能訓練の評価法として取り入れられてるそうです。
この標準化には、各国の協力も含め、イタリア・カナダ・オーストラリアなど、他国も参加し、日本からはJAEA(日本原子力研究開発機構)、インターナショナル・レスキュー・システムも、NIST性能評価手法の研究に協力しており、どこでもNISTの性能評価を活用しても良いため、国内でも既に数カ所でNIST STMを採用しトレーニングされてる企業もあります。
尚、特に認定する機関はなく、誰でも活用してOKだそうです
機材購入先は、資料の後半に掲載されてます
色々記載しましたが、製造メーカーが自動車を販売する前に、スピードウェイトラックで自動車をテストし、設計どおりに機能することを確認するようなものを、無人航空機でも基準を作り、操縦士も自動車運転免許試験の認定基準の参考になるのでしょう。
日本は、2022年12月から、機体認証制度や操縦士ライセンス制度もスタートします
これらもNISTと関連するかは定かではありませんが、今後の動向も要チェックです。