Q156:農業ワールド2018 in 国際次世代農業EXPO
毎年、幕張メッセにて開催されてます国際次世代農業EXPO・農業ワールドに行って来ました。今回は特に気になったドローン関連企業様をスポットに現地ヒヤリングをもとにご報告させて頂きます。
開催日 2018年10月10日~12日
場所 幕張メッセ「国際次世代農業EXPO 農業ワールド」
■株式会社マゼックス
農業用ドローンの製造・販売・講習まで行っているメーカーです。
今年は、DJI社のフライトコントローラーA3-AG・ブラシレスモーター・ESCを標準搭載する事で更に安定した飛行・作業性を向上させた新製品「飛助MG」が販売され注目されてました。「飛助MG」は農林水産航空協会の認定機体です。
製品 農薬散布機(飛助MG)
販売価格 129.8万円(バッテリー1本込)別途、バッテリー 65,000円
液体散布装置 タンク容量 10L
飛行時間12.5分 散布範囲1.2ha
総重量 24.9kg
粒剤 5kg(10kgは開発中だそうです)
自動航行 2019年予定 ABポイント仕様
※2か所のポイントを指定して4m幅で自動で横移動を行います。現在投稿の時点では農水省での農薬散布の自動航行は認められていませんので、認定されてから機能解除を行う予定。
■TEAD(ヨコヤマ・コーポレーション)
こちらの会社も農業機ドローン開発・販売・講習と知名度のある会社ですが
DAX04新モデル発売と、TEAD HAROシリーズ4発・6発(ペイロード2~10kg)
農業・鳥獣害対策機とバッテリータイプ・ハイブリットタイプなど、進化を感じる機体の展示でした。
更に、販売代理店・教習・整備・点検など、代理店になりやすい販促ツールも作成され、顧客も法人のみでなく、個人向けにもセット価格を提案していました。
DAX04 基本セット 255万円
+Aセット(法人向け) 472,990円
+Bセット(個人向け) 262,990円
■スカイマティクス
三菱商事と日立製作所が出資している会社です。機体販売をメインと言うよりは、機体+クラウドなど、トータルソリューション提案している会社です。
ドローンを活用した水稲圃場管理などのクラウドサービスを中心に提案され、農薬散布サービス「はかせ」をドローンと一緒に提案販売。機体の点検・飛行状況の確認・散布実績など、インターネットを通じて管理できるようになってます。アプリケーションとしてタブレットで飛行支援機能を取り込んでいます。
他には営農支援ツール「アグリノート」も開発され、高解像度商用衛星(デジタルグローブ)も宣伝してます。衛星画像は農業分野・河川管理・森林管理などノウハウは持たれているので、今後、農業分などリモートセンシングなど活躍される企業ではないでしょうか。
■ナイルワークス
NHK/WBSなど最近TV放映され注目されている企業ですが、2017年に住友商事・全農・クミアイ化学工業などから出資を受け、農業用ドローンの開発をされている企業です。
こちらの企業は、2年前のジャパンドローンでも展示され拝見したのですが、4人でないと運べない位大きかったのですが、今年は以前よりは小さくなってました。
バッテリーはMAXELLで製作。1個2.5kgを2個搭載とバッテリーも大きかったです。
機体重量は24.9kg以内とタンク容量は8L、飛行時間15分
ナイルワークスの特徴は、農業の自動航行をPRされています。
販売は2019年という事で、現在は実証実験中だそうです。
※今後の農水省の自動航行認定後、発売されるのでしょう。
■相馬商事 DJI販売代理店
http://www.somashoji.co.jp/business/agri/
長野県の会社で、農業はアグリカンパニーとして、日本農薬、三井化学、住化積水フィルム、ロイヤルインダストリーズなど特約店として活動されている明治35年創業の会社です。DJIの代理店でもあり、AGRAS MG-1P RTKの展示をされてました。
2019年3月新製品販売(予定) AGRAS MG-1P RTK
自動航行・カメラ付き 現在のAGRAS 200万円+100万円=300万円位になりそうです。
AGRAS(販売中)
10L 飛行時間 10分 散布範囲 1ha
バッテリーは、基本6本購入して頂いてる。充電時間1本1時間かかる
本体 140~150万円 バッテリー1個 7~8万円×6個 計200万円位
※この辺りの販売価格は、あくまでも参考として下さい。
■石川エナジーリサーチ
http://ier.co.jp/index.html#category1
元ホンダの技術者が集まって起業した会社でハイブリットドローンを展示されてました。
離陸重量は60kg。機体重量48kg+搭載重量12kgと長時間飛行180分以上は素晴らしい。今後、このようなハイブリットドローンは物流など含め、長時間飛行が可能なドローンは今後開発されてくるのでしょう。
■XAICRAFT JAPAN株式会社(XAG)
中国製の機体を販売。中国では既に実績のある機体で日本でも話題になっています。
主に九州・西日本を中心に販売代理店を増やしているそうで、現在は、日本とオーストラリアを中心に海外進出を行っている。2007年創業、社員1500名(内開発者500名)
中国市場では既に農業機の販売はDJIより販売数量は越しているそうです。
農業以外にも果樹園などにも活用され、完全自動航行が売り。
誤差は2cmと下方センサーでの自動航行の精度が良い。センサー(衝突回避)は前面・下方に搭載されてる。2019年には防水・防塵機能の新機体が発売される。作業性も良く、バッテリー交換も早く、フライトコントラー含め、全部XAG製だそうです。
2019年には粒剤散布装置も販売予定。
機体販売価格 350万円(RTK込み)
他社より価格は高かったですが、機体性能に自信を持たれており、価格を下げる予定はないそうです。
代理店になるには、1機購入して頂ければ、代理店契約は可能との事。
■エンルート
日本の国内ドローンメーカーとして国産フライトコントラーを開発し使用している企業です。農業機ドローンの販売歴史も長く今回は定番製品AC1500/AC940Dを展示。
2019年春モデルに向けたバージョンUPや販売代理店パックなど、今後の市場拡大を伺える展示となってました。
また、粒剤の散布体験コーナーがあり、私も体験させて頂きましたが楽しかったです。映像は農業機の自動航行ABポイント仕様の動画が上映されていましたが、日本の法改定がまだという事で実装はされていないそうです。
今回の農業展は、どの企業もバージョンUPされ、更に操縦性・機能性も改善され、農家さん視線でのやさしい機体開発になって来ているのを実感しました。
そして、今回は本来出展する予定だった某代理店の出店が他の代理店に変わったなど、機体販売市場の厳しさを感じさせる一面もありました。
中国のドローンメーカーXAGの日本市場への参入は、今後販売代理店以外にも、日本ドローンメーカーも独自の強みを打ち出して行くかがポイントになってくるのでしょう。