先日、8月11日・12日と3機目打ち上げ予定が延期となってしまいましたが
「みちびき」は、私たちドローン操縦士にとっても、重要な位置づけになります。
理由は、「GPS精度が高くなる」という事です。
現在、殆どのドローン機体に搭載されているGPSはアメリカが運営するGPS衛星を使用しています。
その為、時間表示が米国時間であったり、使用できる衛星の数が少ない為
マルチパス(建物等での反射)や測量時の誤差・建物のかげに入りGPSが切れるなど
まだ、課題・改善が必要です。
それが、「みちびき」は、日本版GPSと言われるほど、日本・アジア・オセアニア地域を軌道する為、GPS衛星と一緒に使用する事で、更に安定した確実なGPS精度を取得する事が出来るという事なのです。
みちびきのスケジュール
※「みちびき(準天頂衛星システム)ウェブサイト」より
上記によると、2017年度中に4号機まで打ち上げ、2018年からみちびきを使用したサービスが開始される予定です。
2023年には、7機体制になる為、都市部や山間部などの受信状況も良くなるそうです。
現在も、ドローンの機体性能は、日々進化していますが、6年後には更に測量・物流など、時間や場所を選ばず、精度の高いサービス提供が出来るのでしょうね。
■みちびき(準天頂衛星システム:QZSS)公式サイトのご紹介
・みちびき(準天頂衛星システム)とは・・
準天頂軌道の衛星が主体となって構成されている日本の衛星測位システムのこと
・英語ではQZSS(Quasi-Zenith Satellite System)と表記します。
・衛星測位システムとは・・
人工衛星からの測位信号(電波)を使って、現在位置を知ることができる「衛星測位サービス」のこと
・準天頂衛星とは・・
特定の一地域の上空に長時間とどまる軌道をとる人工衛星の事
※ピンク線が準天頂軌道(Wikipediaより)
これは、日本の天頂付近を軌道する為、高層建築物の多い都心部でも、天頂付近さえ開けていれば衛星から信号が受信ができると考えられるので、2023年以降は都市部でドローンが飛行している光景をみるようになるかも知れません。たぶん・・
但し、最低でも3機以上の準天頂衛星が必要で予備機も必要。
また、低軌道衛星やGPS衛星に比べて、軌道高度が高いそうなので、打ち上げ能力の大きなロケットを用いて打ち上げなくてはならないそうです。
そういった背景もあり、打ち上げも慎重で延期も仕方が無い事なのでしょう。
色々知れば知るほど、打ち上げライブ中継を見るのがドキドキになって来ました。
3号機打ち上げ成功祈ってます。