Q101:雲仙普賢岳 現場検証(前半)
新年明けましておめでとうございます。
本年もどうぞ宜しくお願い致します。
今年から「ドローン操縦士になるための100の質問(産業編)」としてスタート致します。
今年の第一弾は、昨年九州の雲仙普賢岳でドローンによる現場検証に参加して来ましたのでご報告させて頂きます。
内容「土石流災害予測シュミレーション実証実験」です。
①ドローンによる地形データの収集・溶岩ドーム調査
②衛星回線によるドローン映像を防災室に配信
③遠隔土石サンプリング技術の研究開発
④遠隔含水率・透水性の計測技術の研究開発
現在、日本での活火山は約110と言われています。
いつ起こり得る土石流災害を事前に予測可能する事で人災をゼロにする。国土交通省始め様々な研究が行われていますが
今回、国際航業㈱・東北大学・㈱エンルートがNEDOの委託を受け、火山地域の災害調査を行うロボット技術開発を実用化する事を目的に行って来ました。
場所は雲仙普賢岳。
今でも鮮明に記憶に残っていますが25年前に起きました雲仙普賢岳の土石流が発生した場所での検証でした。
現在は噴火活動は終息されていますが、雲仙復興事務所でも監視しており、安全対策含め事前説明会を受けての検証となりました。
まず、①ドローンによる三次元地形データの収集です。
飛行場所は頂上から約3km離れた安全地区場所からの着陸となります。
しかし、皆ヘルメットをかぶり、車も万が一何かあった場合は直ぐ避難出来る様、車の停車の向きは避難する進行方向側に停車するなど、安全危機管理も徹底された中での検証でした。
右奥が雲仙普賢岳です。
ドローン操縦士達は、機体を準備しながら、自動航行のルート確認・画像伝送装置・無線状態の確認・アンテナ設置など万全対策で準備を進めます。
フライトは多様なコマンドをプログラムする事が出来るMissionPlannerを使用。
この日は天候も良く、頂上付近も目視で良くみえました。
頂上には溶岩ドームもあり、ドローンで頂上付近まで飛行させ、現在の状態を画像で取得してくるという任務もありました。
ドローンはエンルートのZionQC730を使用。
この機体は最大飛行時間40分。最大飛行距離は30km。最高速度は72km/h。高解像度のカメラを搭載し、リチウムポリマー電池を搭載。
画像データを取得します。
その後、収集した画像データの三次元モデル化は国際航業様が担当されます。
飛行高度・作業時間によって、三次元地形モデルのソフトウエアの作業時間は30分~90分と変わりますが、災害対応には早急なデータ収集を必要とする為、いくつかのパターンを検証し実践的な運用を想定したデータを集め、今後の活用に期待できる検証が出来ました。
②衛星回線によるドローン映像を防災室に配信
これらの検証実験の模様は、雲仙復興事務所(防災室)でも放送され
普賢岳山頂の溶岩ドームや山腹のガリーの状態をドローンの映像を衛星通信装置(Ku-SATⅡ)を使用しリアルタイムに情報配信できた事も確認できました。
では、次回は③④土石サンプリングデバイス装置運搬に関する報告です。