Q184:ドローン配送 フェリーの旅!
さて、急に東京から北海道へ大型ドローンを持参し出張する事になりました。
しかし、出張は明後日!
宅配会社へ依頼したくても、これから梱包、もう時間がない(><)
車の移動も1000km以上だし、何か別の輸送方法ないかな?
さて、あなたなら、どうしますか?
チチチチ・・・・はい、答えは!
答え「フェリーを使いましょう♬」
通常、遠方の際は、宅配会社を利用し、ドローンを送りますが
急な案件で、車で片道400km走って、お届けする事は、そんな大変ではないのですが
東京から北海道となると、片道1000km。流石に、体力的にも厳しいという事で
フェリーを使おうと、提案してくれたメンバーがいまして
なるほど!と思った事がありました。
それに、フェリーなら、車の荷台にドローン機体・バッテリ・その他付属品など
細かな梱包をする事もなく、そのまま荷台にドーンと積んで移動が出来ますし
フェリー内では仮眠もでき、北海道へつけば、そのまま車で移動
現場に到着しても、開梱する手間も省け
直ぐ飛ばすスタンバイが、出来ます
何と楽な事でしょ~う♬
一石二鳥どころか、一石三鳥以上の良さがあります。
国内でもフェリーに乗船できる箇所は少ないですが
東京だと茨城県(大洗)〜北海道(苫小牧)まで、754km/約19時間と
寝ながら移動もできるので、体力温存もできます。
状況によっては、お勧めです。
もし、同じようなシチュエーション?で
フェリー移動を検討の方は
下記HPを参考にして下さい。
http://www.jlc-ferry.jp/kouro.html
■トラベルWiller HP(予約専用ページ)
https://travel.willer.co.jp/ferry/
船の旅も良いものです。
PS:2020年3月8日時点
新型コロナウィルス感染拡大の影響で不安な日々が続いてますが、乗船に関しても、乗船前の体調確認や船内の消毒、マスク着用など、船会社も安心して乗船頂けるよう、さまざまな対応をして下さってます。
一日も早く事態が収束されることを願っております。
Q183:ドローン(バッテリ)宅配会社
今回は、ドローン(バッテリ)を配送してくれる宅配会社をご紹介します。
通常、ドローンを配送する際は、ヤマト運輸・佐川急便・西濃運輸を利用させて頂いてます。
産業用ドローンの場合は、機体サイズが大きくなるので、3辺170㎝以上、30㎏以上の場合は、佐川急便・西濃運輸にお願いします。
ドローンを配送する際は、バッテリも一緒に配送する事も多いため
梱包も緩衝材を入れ、しっかり固定し、危険物取り扱いシールを貼って
事前に宅配会社にバッテリ搭載の旨、申請をします。
2019年4月より、法改正があり、申請しないと、損害賠償を請求される場合があります。
下記、ヤマト運輸の資料をご参考に。
バッテリは危険物取扱品でもあります。
送る側も最新の注意をし依頼するようにしましょう。
各宅配会社によって、配送規定が異なるため、ポイントを整理しました。
参考にして下さい。
【国内に配送する場合】
ヤマト便 3辺200㎝以内、重量30㎏以下、一人で集荷・配送できる
http://www.kuronekoyamato.co.jp/ytc/customer/send/services/yamatobin/
ヤマト便は、日時指定不可です。
上記よりサイズ・重量が大きい場合は、下記2社がお勧めです。
■佐川急便
飛脚宅配便 3辺160㎝以内、重量30㎏以下
https://www2.sagawa-exp.co.jp/send/fare/input/
飛脚宅配便は安くてお勧めです。
これ以上の規格を超える場合は、飛脚ラージサイズ宅配便を利用してます。
3辺260㎝以内、重量50㎏以下
https://www.sagawa-exp.co.jp/service/h-largesize/
■西濃運輸
カンガルー特急便がお勧めです。大型サイズの配送もしてくれます。
3辺280㎝以上~450㎝以下・重量45㎏~90㎏以下
https://www.seino.co.jp/seino/send/
但し、随時、見積もりを依頼します。
個人宅への集配はなく、事務所まで持参。
法人は集配可能ですが事前手続きがあります。
主に事業者向けの宅配会社の為、業務で使用する際は、西濃運輸もおすすめです。
【海外へ配送する場合】
海外へ航空便・船便で送る際は
バッテリの航空便の取扱はなく、船便となりますので、十分な配送期間を見ておいた方が良いです。
また、産業用ドローン(娯楽又はスポーツ用に供する模型航空機を除く)を
海外へ配送する際は、武器としてみなされる為
別途、「該否判定」を受ける必要があります。
この話は、長くなるので、また別の機会でご紹介します。
海外へ配送する際は、国内の宅配会社もありますが
海外の宅配会社もありますので、ご紹介します。
https://www.fedex.com/ja-jp/home.html#
DHL
https://www.logistics.dhl/jp-ja/home.html
FedExは、サービス種類は多いのですが、税関に時間を要することが多いので
今は、スピード重視で、DHLを使用してます。
選択範囲もありますが、何を重視するかで、宅配会社を選ぶと良いでしょう。
バッテリを出荷する方法や梱包の手引きが、FedExのHPで詳しく紹介されてますのでリンク貼ります。
http://www.fedex.com/jp/tools/lithium.html
FedEx梱包の手続き
http://www.fedex.com/downloads/jp/packagingtips/howtopack.pdf
配送には、事前に梱包作業など、時間もかかる為、早めの準備がお勧めです。
ケースに関しては、ドローンメーカー専用ケースを利用すると、配送時には便利なので移動が多い方は、専用ケースのご購入をお勧めします。
産業用ドローンは、機体もバッテリも大きく
サイズ・重量を調べておかないと、配送出来ませんと断られてしまいますので
事前に確認しましょう。
Q182:ドローン(バッテリ)を飛行機に持ち込む場合
仕事や旅行でドローンを持参して飛行機に搭乗したい時ってありますよね。
今回は、そんな時はどうする?
という事で、飛行機にドローン(バッテリ)を持参する際のポイントを整理しました。
ご参考にして下さい。
まず、事前に確認する事は、バッテリ容量と個数、搭乗する航空会社の規定を調べ
飛行機に持ち込めるか確認します。
最終的には、各航空会社HPで調べる必要はありますが、毎回調べるのも大変なので
現時点の情報として、ざっくりと整理しました。
2020年2月時点
主な航空会社
・国内 JAL・ANA・スカイマーク・AIRDOなど、国内の航空会社
・海外 ユナイテッド航空・アメリカン航空・デルタ航空・エールフランス航空など、海外の航空会社
飛行機でドローン(バッテリ)を運ぶ場合
バッテリ容量100Wh以下
■本体+バッテリ(取外し可)
100Wh以下 機内持込 〇(個数制限なし)
100Wh以下 お預け 〇(個数制限なし)
■予備電池のみ
100Wh以下 機内持込 〇(個数制限なし)
100Wh以下 お預け ×
主な対象機体
DJI(Spark・Mavic・Phantom4・Inspire2 ・Matrice200 TB50用など)16.87Wh~98Wh
小型ドローンは、殆どが100Wh以下の為、機内持込であれば、個数を気にせず「機内持込」が可能です。
但し、機内持込サイズ・重量は、手荷物規定もある為、その範囲内になります。
例:JAL 座席数100席未満
サイズ:3辺合計100cm以内
重量:10kg以内
https://www.jal.co.jp/dom/baggage/inflight/
そして、残念ながら、予備電池の「お預け」は出来ないようです。
バッテリ容量100~160Wh以下
■本体+バッテリ(取外し可)
100~160Wh以下 機内持込 〇(個数制限なし)
100~160Wh以下 お預け 〇(個数制限なし)
■予備電池のみ
100~160Wh以下 機内持込 〇(2個まで)
100~160Wh以下 お預け ×
主な対象機体
DJI(Inspire1 TB48用・Matrice 600など)129.96Wh
エンルート(AC940D・CH940・PG560)138Wh
但し、産業用ドローンになると、機体も大きくなり機内持込が「〇」となっても
持込サイズ・重量でアウトになり持ち込めない事もあります。
その際は、「お預け」のサイズ・重量を確認し
機体は「お預け」+予備バッテリ2個のみ「機内持込」という手段もあります。
例:JAL お預けのお手荷物
サイズ 3辺(縦・横・高さ)
50cm×60㎝×120㎝以内
重量:20kg以内無料(有料32kg以内)
https://www.jal.co.jp/dom/baggage/checked/
バッテリ容量160Wh以上
■本体+バッテリ(取外し可)
160Wh以上 機内持込 ×
160Wh以上 お預け ×
■予備電池のみ
160Wh以上 機内持込 ×
160Wh以上 お預け ×
主な対象機体
DJI(Matrice200TB55)176.93Wh
エンルート(QC730・QC730TS・AC1500)350Wh
おおおお・・・これでは、飛行機で運ぶ事は断念するしかないですね。
そこで、次回は、バッテリ容量が大きい
大型ドローンを運ぶ、宅配会社をご紹介します。
因みに、下記の航空会社は、100Wh以下・100~160Wh以下でも、個数制限がある航空会社もある為、一部ピックUPします。
バッテリ容量100Wh以下
■本体+バッテリ(取外し可)
100Wh以下 機内持込 〇 チャイナ15個
100Wh以下 お預け 〇 チャイナ15個
■予備電池のみ
100Wh以下 機内持込 〇 チャイナ20個・ブリティッシュ4個
100Wh以下 お預け ×
バッテリ容量100~160Wh以下
■本体+バッテリ(取外し可)
100~160Wh以下 機内持込 〇 チャイナ15個
100~160Wh以下 お預け 〇 チャイナ15個
■予備電池のみ
100~160Wh以下 機内持込 〇 チャイナ2個・ブリティッシュ2個
100~160Wh以下 お預け ×
と、いう事で各航空会社で規定が違いますので、一部ですが各HPリンク貼ります。
国内航空会社
https://www.jal.co.jp/dom/baggage/limit/
https://www.airdo.jp/departure/baggage/caution-restriction/
ピーチ
https://www.flypeach.com/application/files/1615/2111/4809/Dangerous_Goods_List_JP_20170705.pdf
海外航空会社
ユナテッド航空
https://www.united.com/ual/en/us/fly/travel/baggage/dangerous.html
https://www.americanairlines.jp/i18n/travel-info/baggage/restricted-items.jsp
https://www.koreanair.com/mobile/global/ja/traveling/baggage-services/restricted-items.html
ブリティッシュエアウェイズ
https://www.britishairways.com/ja-jp/information/baggage-essentials/liquids-and-restrictions
https://www.china-airlines.com/jp/jp/fly/prepare-for-the-fly/baggage/dangerous-goods-information
キャセイパシフィック
また、内閣府「政府インターネットテレビ」でも、飛行機の持込禁止品について紹介されてますので、ご参考に。
空港に行く前に確認!飛行機に持ち込めないモノ 動画10分
https://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg18126.html
Q181:ドローン用語集(JIS W 0141:2019無人航空機―用語)
2019年無人航空機の用語がJISで定められ規程集が発売されました
JIS W 0141:2019無人航空機―用語
Unmanned aircraft – Vocabulary
発行日 2019年10月21日 定価 2,860円(税込)
https://webdesk.jsa.or.jp/books/W11M0090/index/?bunsyo_id=JIS+W+0141%3A2019
原案作成団体:(財)日本規格協会・(社)日本産業用無人航空機工業会より
今まで、ドローン関係で資料作成する機会が多いのですが、いつも悩むのが言葉の統一です。
(例)
バッテリー 又は バッテリ
マルチコプター 又は マルチコプタ
ヘリコプター 又は ヘリコプタ
どちらを使用したら良いのか、いつも悩んでました。
特に音引きの箇所が一番悩みます。
国交省のガイドラインを参考にしたり、各企業で使用されている用語や「JIS工業用語大辞典」・「カタカナ用語表記に関するアンケート報告」テクニカルコミュニケーター協会資料などを参考にしてたのですが、ドローンは専門用語が多く、情報収集するのが大変でした。
しかし、2019年10月JISでドローン用語集が発売されると聞いて、今までの悩みがクリーア出来ました。全てのドローン関連用語を網羅している訳ではありませんが、大分参考になります。
皆様にもおススメです。
因みに、無人航空機用語が認定されるまで2年間の歳月を要したようです。
(参考資料)無人航空機設計基準の JIS 規格化について
https://www.mlit.go.jp/common/001201818.pdf
因みに、「JIS W 0141:2019無人航空機―用語」で使用されている用語はこちらでした。
・バッテリー 又は バッテリ(〇JIS)
・マルチコプター 又は マルチコプタ(〇JIS)
・ヘリコプター 又は ヘリコプタ(〇JIS)
Q180: 2019年ドローン業界振り返りBEST.10
新年あけましておめでとうございます。
2019年は、ドローンという言葉も世に定着し、空撮や農業では既に活用され、他分野でも、インフラ点検(道路橋)でのドローン活用も認められるようになりました。その反面、ドローン活用が広まるにつれ、事故やルール違反も増え、国交省の審査要領が大きく改正されるなど、ドローンを取巻く環境が、日々変わっていくのを感じさせられる年でした。
そこで、私なりに2019年の出来事をBEST10で振り返ってみました。
10位:ソリューションサービス事業提携
ドローン産業は、機体売上だけでなく、それらの周辺サービスの活用にも期待されています。機体が売れれば、保険・メンテナンス・定期点検・スクール・レンタル事業・飛行代行・画像処理サービス等、サービス事業の範囲は沢山あります。これらの周辺サービスで売上確保しようと、各企業の強みを活かした提携により、トータル的にサービス提供をするソリューション提案企業が増えてきたように感じます。
9位:プログラミング教育
ドローン開発には、ハードウェア開発とソフトウェア開発と大きく2つに分けての人材が重要となりますが、日本では、まだプログラミングが出来る人材は、世界に比べても少なく、今日でも引っ張りだこの状態です。そのような中、DJIではROBOMASTER S1やTELLO(EDU)販売で、プログラミング学習もできると注目を集めました。2020年はプログラミング教育も必修化になります。今後、人口も減りロボット活用が広がる中、AI・IoTと、システムを理解しプログラミングを理解出来る人材も必要になります。日本も世界から取り残されないよう人材育成に力を入れる事は重要なファクターになって来てます。
8位:新技術(自律制御・みちびき・RTK・5G・IoT等)
自律研ACSLが上場し1年経ちますが、ドローンの制御技術によるインフラ点検などにも活躍し、他の国内ソフトウェア会社も鉄塔点検などの自律飛行ソフトなど、国内企業も新技術の本格実装に向け取組みされている事を感じました。
2020年春の5G活用に向け、2019年は5Gやみちびき(準天頂衛星)・IoT・クラウドにより情報収集・解析など、ドローン飛行実証実験や通信機器でも成功してる為、実用化に向け、今後に期待ができます。
7位:災害(台風15号・19号、ノートルダム寺院火災)
毎年、自然災害の被害状況が拡大してるように感じます。台風15号・19号は、本当に凄まじい勢力で、私たちも飛行場が一部被害にあうなど、各地でも、甚大な被害を及ぼし、今でも復興作業が続いている地域もありますが、調査、空撮、測量などで、ドローンを活用した事で早急な判断、対応ができたなど、ドローンも役立つ空飛ぶロボットとして、貢献できる事を感じてます。
海外では、4月フランスのノートルダム寺院火災が起こり、1年前に訪問したばかりの場所でもありましたので、大きな衝撃を受けましたが、ドローンの空撮により消火活動で活躍したなどの話も聞き、ドローンも消防員の一員になっている事を感じます。
6位:空港一時閉鎖、皇居周辺などでドローン飛行目撃で警視庁が捜査
今年は、ドローン目撃による空港の一時封鎖のニュースを多く聞きました。1月は、イギリスのヒースロー空港でドローンが目撃され出発便が一時中断。10月は、関西空港周辺上空にドローンのような飛行物体を確認。全ての滑走路で離着陸を停止するなど、空港も振り回された年でした。
また、令和に入った5月には、皇居周辺などでドローン飛行が目撃され、警視庁が捜査。渋谷スクランブル交差点付近でドローン飛行と、操縦士は外国の方もおりましたが、日本の警察を怒らさないで~と祈るばかりで、そのせいかわかりませんが、警視庁からは、飛行禁止区域のお知らせ連絡が連日来るようになりましたし、国交省からは、9月には「無人航空機の飛行禁止区域等を定める告示(令和元年国土交通省告示第461号)」が全面施行され、一部の空港について航空法第132条第1号の禁止空域が拡大されました。今後も、更に管理・規定が厳しくなるでしょう。
5位:空飛ぶクルマ
2019年は、国内でも空飛ぶクルマの開発がスタートし、海外ではEhang社・Volocopter社など、ドバイ・シンガポールなどで、実用化が進むなど、人を乗せる無人航空機が誕生しています。それによってなのか、2019年の有人地帯上空・目視外飛行のロードマップも2020年以降と明確でなかった年も、2022年と明確に定められるなど、具体的な何かが見えて来たのかも知れません。あと数年後には、空飛ぶクルマも国内で見れるようになるのかも知れません。
4位:航空法改正(2019年9月18日)
ドローンの飛行ルールに関しては、2015年12月10日に施行され、順次改正などありましたが、2019年9月は大々的な改正で衝撃的でした。変更点を理解するにも時間を要しましたが、2015年から5年の歳月の間に様々な出来事があっての改正だと思います。今後もドローン市場が拡大される事で、ルールも変わっていく事なので、飛行方法については、必ず理解を深め順守して参りたいと思います。
3位:農林水産航空協会 指導指針廃止
等々、廃止されましたね。農水協も今まで頑張って対応してくれてたのですが、規制改革には、スピードや柔軟性も必要であり、海外の機体性能も良くなっているのは確かなので、それにあった規定に変える事は必要。今後は、一部の社団法人対応でなく、国交省が対応してくれるようになったのは良かったと思います。しかし、農業と特殊な分野でもある為、農水省・農水協の暫定ガイドラインも安全面でみると重要な事も記載されているので、こちらもチェックしながら、安全運航に努めます。
2位:DIPS:FISS登録
今まで、飛行許可申請はオンライン申請、または、書類申請で対応されていた方も多くいらっしゃったと思いますが、2019年審査要項の改正に伴い、飛行前に飛行情報を共有するFISS登録が必要になりました。主な目的は、有人航空機と無人航空機とのニアミスや接触事故を未然に防ぐための安全確保の為、双方で必要となる情報共有が目的です。確かに必要な事だと理解はしてるのですが、農家さんや高齢者の方では、PC・スマホを使っていない方もいらっしゃり、実際運用してみると、現実的でない仕様も一部ある為、条件つきで特例なのか、FISSの規制緩和策も国交省から提示して頂きたいと、ロビー活動もさせて頂きました。今年は、なにかしらの対応策が講じられることに期待したいものです。
1位:セキュリティ強化による中国機排除
何と言っても2019年は、中国機排除に関するニュースを至る所で耳にしました。2018年8月のファーウェイ問題で、中国製通信機器の使用を禁止する米国の動きもあり、国内政府機関では、「安全保障上の危険性がある通信機器を調達しない」方針を検討するなど、米政府機関が中国製ドローンを購入することを禁じる法案「2019年米セキュリティ・ドローン法案」を提出し、日本もドローン購入や使用部品の中国製にも危機感を感じ始め、政府や企業などは、中国製から国産機へ切替え検討するなど、安全保障に対しての意識が高かまり、日本メーカーに追い風が来た年でした。
しかし、だからと言って、即国産に切替ると言っても、飛行性能・操作性・カメラ・ジンバルなど、まだ中国製の方が良い箇所もあったりするので、そう簡単に乗換ができないのが悩ましく、国産ドローンの出遅れ感も垣間見る年でした
こう振り返ってみると色々あった1年でした。今年もドローン業界動向など発信できればと思います。
今年は「ドローン操縦士になるための100の質問」が、200の質問?になるよう頑張ります。
本年もよろしくお願いします。
Q179:官民協議会 機体と所有者情報登録
2019年11月28日小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会(以下、官民協議会)は、「無人航空機の目視外及び第三者上空等での飛行に関する検討会」の中間とりまとめ結果が報告されました。
■政策会議 小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会(第12回)
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kogatamujinki/kanminkyougi_dai12/gijisidai.html
主な内容は、2022年フェーズ4(第三者上空・目視外飛行)に向け、ドローンの安全確保の為、機体登録制度・所有者情報の登録・操縦者の技能・機体技術開発・運航管理など、大きく5つのポイントに分けて検討され報告されています。
その中で、特に注目したいのが、所有者情報登録がスタートしようとしている事です。
等々、ドローンも車と同じくナンバープレートを装着する時代が近くまで来たんですね。
また、ドローンスクールも多くありますが、今までは空撮や農薬散布を主とした教習が殆どでしたが、今後はインフラ点検・物流等、使用用途がドローンも変わって来ますので、それにあった専門的なコースと技能別認定が形成されていくのかと想定されます。
因みに、官民協議会とは、2015年12月「内閣官房小型無人機等対策推進室」が主となり、小型無人機(ドローン)の安全な飛行確保や利用促進、技術開発等様々な視点からの課題を解決していくことを目的に、官民の専門家・関係者が一堂に会し協議を行う場として発足された議会です。
今回の報告書は、ドローン機体開発メーカー以外にもスクール事業者の方やユーザーの方も、目を通された方が宜しいかと思います。
国内では、まだ検討段階ですが、
既に、米国では、機体登録制度は施行されています。日本も時間の問題でしょう。
■小型無人機の有人地帯での目視外飛行実現に向けた制度設計の基本方針の策定に係る中間とりまとめ(PDF)
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kogatamujinki/kanminkyougi_dai12/siryou1.pdf
■速やかに対応すべき課題(PDF)
・ドローンの所有者等の把握のための制度
・ドローン飛行禁止法の対象施設の拡大
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kogatamujinki/kanminkyougi_dai12/siryou2.pdf
下記、ポイントだけ抜粋しました。
①機体所有者、把握のための制度
無人航空機(本体)について
・製造番号、種類、製造者、型式等を把握できるようにする
所有者・使用者情報について
・氏名、住所等を把握できるようにする
また、空中で飛行している機体を目視確認できない距離でも
識別できるようリモートIDによる機体認識を行うなど
リモートIDに関しては、LTE/bluetooth ver5など、まだ検討が必要な状況です。
②機体の安全性について
飛行するエリア、飛行方法、機体規模等に応じた耐空性要件や機体が故障した場合の第三者への危害を軽減する機能・性能についての検討する
簡単に言えば、第三者上空・目視外飛行を行う機体は、高い信頼性のある設計や落下することのない安全機能を有する設計が必要という事です。
ドローンメーカーへの要求が更に高まります。
③操縦者の技能について
使用する機体(型式、重量、性能等)や飛行する方法(自動/自律飛行・手動操作、目視内・外等)に応じて操縦者に必要となる技量・運航管理者との役割等の整理
フェーズ4の機体を操縦するには、上記を踏まえた技能証明区分や試験方法等の整理が必要になるという事
④運航管理について
飛行するエリア(地上の人や有人機の蓋然性)、飛行する方法(目視外内等)を踏まえたリスク区分に応じた運航管理要件の検討
こちらは、現在、NEDOやJUTMなど、運航管理について実証実験などが行われています。今後、UTMの活用方法やリスクアセスメントなど、検討されて行くのでしょう。
⑤その他
・ 被害者救済・ プライバシーの保護・ サイバーセキュリティ・ 土地所有権と上空利用の在り方等、検討されて行くそうです。
今後、更にドローンを活用して行く上で、規制が強化されて来ます。
2015年12月以前までの自由さが、5年目と入る2020年には、更に国と認証機関等が規制作りを行い審査・管理の整理がされて行くのですね。
ドローン操縦士も操縦技能を高める訓練も必要ですが、これらの規制も把握し、私達もついて行かなければなりません。
私も引き続きウォッチングし報告して行きます。
因みに、他国は既に機体登録制度などは進んでいます。
参考までに、FAA(アメリカ連邦航空局)リンク貼ります。
国内での、具体的な方法は検討中ですが、多分FAAに近い制度になるのではないかと、個人的に予測してます。
FAA(Federal Aviation Administration アメリカ連邦航空局)
https://www.faa.gov/uas/getting_started/register_drone/
過去、官民協議会で議論されました内容も、下記HPに掲載されています。
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kogatamujinki/index.html
Q178:海外でドローンを飛行する場合
2019年もあと3日!
年末は、海外へ逃避行する傾向があったのですが
残念ながら今年は調整つかず、日本で大人しくお仕事させて頂いております。
2017年の年末はフランス旅行
2018年の年末はスペイン旅行
2019年は年末に行けなかったので、先にグアム旅行に行って来ました。
海外旅行に行ったことを自慢したい分けではなく
何故かしら旅行にいく度にドローンと遭遇するのです。
それも、えっこんな所で飛ばして良いの?ってね
スペインでは、バルセロナのサグラダファミリアをホテル屋上から優雅にカヴァを飲みながら眺めていた時は、怪しき小型飛行物体が何かを運んでいるではありませんか
それを目で追うと、ビルからビルの屋上へ、小さなドローンがクリスマス模様の靴下を吊り下げ、近隣のビルまで運んでいました。きっとクリスマスプレゼントなんでしょう。
しかし!その飛行下は住居もあり、目の前は、あのサグラダファミリアではありませんか!
どう考えても飛行禁止区域でしょう(><#)と思いながら見届ける私でした。
グアムでは、ビーチ目の前のホテルに宿泊。優雅にテラスでビールを飲みながら、プールやビーチで遊ぶ人たちを眺めていると、数階下のベランダからマビックを飛ばし、海の方まで飛ばしているではありませんか!って、これも不味いでしょう。下には子供たちもいるのに、もし墜落したらどうするの?と思いながら、静観していると、何とホテルの右側奥まで飛ばし、これって完全目視外じゃないのって?帰還するか半信半疑で待つ事、約3分。無事に戻って来たじゃありませんか。そして、ベランダにいた操縦者は、片手を差し伸べ、無事回収するのです。GPS遮断など、小心者の私はハラハラ・ドキドキでしたが、流石DJI機。見事でございます。
っていうか、そこを褒めるんじゃなく、操縦士にその国のルールを知って飛ばしてますか?と言いに行きたい所ですが、私も海外のルールを把握している訳ではないので、帰国してから海外のドローンに関する規定を調べてみました。
そこで、お勧めのMAPがありましたのでご紹介します。
Drone Laws For Every Country In The World (Recreational Use Only)
既に、他のブログでもご紹介されているようですが、下記、foxnomadのHPでは、随時更新されており、初めにチェックするにはわかりやすいので、活用されると良いと思います。
https://foxnomad.com/2017/07/25/map-shows-drone-laws-every-country-world-updated-regularly/
Drone Laws For Every Country In The Worldで調べてみると
スペインは、人口密集地は飛行不可 等 国内の航空法があります
グアムは、目視外飛行不可 等 FAAに事前登録が必要
やはり、私が目撃した飛行は×××ですね。
そして、私たちも海外で飛行する際は、こちらの情報だけでは、ルールが変わっている場合もある為、最終的には、訪問先の日本大使館へお問い合わせした方が確実かと思います。
合わせて、リンク貼っておきます。
海外の日本大使館リスト
https://www.mofa.go.jp/mofaj/annai/zaigai/list/index.html
手軽に空撮ができる機体が開発された事は良い事ですが、それによって事故も増えている事も確かです。海外で飛行する際も、その国の法・規定は理解して飛行させましょう。